この感受性と素直さは、神からのギフトに違いないと思いました。

2017年度「はがきでコミュニケーション全国発表大会」で、小学校低学年の部の最高賞・「総務大臣賞」を受賞した絵葉書が、新聞で話題になっていました。

シンプルなのに、心が揺り動かされる不思議な残暑見舞い

受賞した絵葉書を、転載させていただきますね。

(以下、写真・文字は、『毎日新聞・はがきでコミュニケーション全国発表大会松本さんが全国最高賞 難病療養中の新居浜・角野小2年生/愛媛』より引用・転載)

はがきの文字を起こすと、以下のような文章になります。

ざんしょおみまいもうしあげます

ぼくはとてもたのしく夏休みをすごしています。前から行きたかったりゅうがどうのどうくつたんけんに行きました。中はとてもすずしくてしょうにゅう石がつららのようになっていました。くらくてちょっとこわかったけど、コウモリにも出会えたので、ゴールまでがんばりました。つぎのしんさつのとき、元気すぎてびっくりしますよ。

イラストの様子とともに、洞窟の中の暗さや、初めて出会うコウモリに若干ドキドキしながらも、奮起して最後のゴールまで冒険した様が、ありありと浮かんできます。

そして最後の「つぎのしんさつのとき、元気すぎてびっくりしますよ。」

これが、なんとも微笑ましいです。

この賞を受賞したお子さんは、3歳の時から、ネフローゼで治療を受けていて、今回ハガキを送った先生には、5年以上主治医として治療を受けているそうなんです。

ネフローゼというのは、病院での治療だけでなく、普段の食事や生活にも気を配り続けなければならない病気で、おそらく旅行も、色々と気を付けないといけないことが沢山あって大変だったはずなんです。

大人だったら、「先生やスタッフ様のご尽力のおかげで、諦めていた旅行にも行くことができ、大変感謝しております。」とか書くところを!

「つぎのしんさつのとき、元気すぎてびっくりしますよ。」というシンプルで飾らないひと言だけで、旅行に行けた喜びや、洞窟探検を頑張ってやり遂げた達成感、先生への感謝の気持ち、その全部が伝わってくるから不思議です。

この手紙をもらった主治医の先生、医者冥利につきますね~。嬉しかっただろうな~(^o^)

ちなみに、先生も写真まで付けてお返事を書いておられますが、難しい漢字に振り仮名がふってあったり、小学2年生のお子さんにも分かるシンプルな文章で書いてあったり、先生の丁寧な思いやりを感じます。

受賞されたお子さんの将来が楽しみです♪

賞を受賞されたお子さんの将来は、「同じ病気の子がさっと飲めばすぐに治る薬をつくる薬剤師」になりたいんだそうです。

この一言でも、持病でずっと長く治療を受けてきた苦労がしのばれ、お子さんのこの「感受性」「共感力」「表現力」の凄さに驚いてしまいます。

このお子さんは、2016年度の大会でも、地方ブロックの最優秀賞を受賞しておられるので、これはもう神様から授かった「才能」ですね。

絵も、小学2年生さんにしては上手だし、描写が細かくて分かりやすいです。

ないものねだりですが、うちの子は、絵も描けないし、自分の気持ちをうまく表現できなくて、手紙も書けないので、本当にすごいな~と思うとともに羨ましく、将来が楽しみです。

実は、うちの子が赤ちゃんの時、『川崎病』になった時、なかなか病気を見つけてもらえなくて、3つの病院にかかってやっとこさ3つめで病気を見つけてもらえたことがありました。

『川崎病』の中でも、『不全型・川崎病』という、診断をつけにくいタイプの川崎病だったため、小児科の先生2人も、病気を見つけることができなくて、何日も自宅で高熱で苦しみました。

3人目の先生は、入院してから聞いたところによると、ご自身も赤ちゃんの時に川崎病にかかられて、自分自身は記憶にないけれど、親御さんから病気になった当時のことをよく聞かされていたんだそうです。

今でこそ、診断法と治療法がしっかりしていますが、昔は、よくわからない病気だったそうで、親御さんが高熱を出し続ける赤ちゃんをかかえて、病院を駆けずり回ったそうなんです。

で、将来は、原因の分からない病気で困っている赤ちゃんとその親御さんの役に立ちたいと思って、小児科の専門医になられたとお聞きすると共に、「お母さん、大変でしたよね。自分の親もこうだったんだろうな~と思います。」というお声をかけていただきました。

川崎病を見つけてもらえたという感謝の思いと、川崎病にかかって実際に苦労した人からのねぎらいの言葉と、これら偶然のめぐりあわせに感動して、病室でこっそり泣いてしまったのを今でも私は覚えています。

(病気が見つかるまでの4日間、40度越えの熱を出し続け、緊張と心配がマックスになってしまっていたので、先生からの励ましに緊張の糸がぷっつ~んと切れたんですね(恥))

ご縁やめぐり合わせというのは、必ず続いていきますので、主治医の先生のお返事にもありますが、ぜひ、いろんな体験をして、元気に大きくなって、将来の夢をかなえてほしいです。

それにしても、人がこんなにもシンプルな文章に、ここまで心を動かされるとは、日々記事書きで言葉選びに苦心している、いちブロガーとしても、とても興味深いです。

これはもう、私も初心に帰って、一から勉強しなおしですね(笑)

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