『マクマフィア – McMafia』第一シーズン・全8話視聴レビュー【アマゾンTV】

さて、すっかり遅くなりましたが、先日予告していた『マクマフィア– McMafia』第一シーズン、全8話の視聴レビューです。

まずは『マクマフィア』というドラマについて

『マクマフィア』は、今年2018年1月1日から、イギリスで放送が始まったドラマで、アマゾンTVでは、ほぼリアルタイムで配信されていました。

年明けにたまたまアマゾンTV内を徘徊していて、ジェームズ・ノートンの顔を見つけて、あらすじもろくに見ずに、即押しで視聴を開始しましたが、これが大当たり。


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イギリスに亡命したロシアマフィアの息子(アレックス・グッドマン)が、イギリス育ちのビジネスマンとして、普通の人生を送りたいという想いに反して、結局はお父さんと同じ世界に引き込まれていくお話です。

新しいエピソードの配信が毎週待ち遠しく感じられ、全部で8話だったのですが、2月で終わってしまい、ちょっとしたロス状態に陥りました。

以下感想ですが、若干のネタバレを含みますので、ドラマの最終話に関する情報をお知りになりたくない方は、ご注意ください。

『マクマフィア』にはまった理由をまとめてみると・・・

『マクマフィア』の魅力は、アメリカのドラマとは違う、重厚で落ち着いた雰囲気と、ロンドンだけではなく、世界各国が舞台というスケールの大きさです。

ストーリーに関しては、第一話目から引き込まれましたが、ただ、話の展開はひどくゆっくりだなと「最初は」感じました。

特に、『24』などのアメリカ・ドラマのスピード感に慣れていると、『マクマフィア』の話の進み方がとてもゆっくりに感じられるのですが、でも途中から、「ゆっくり」なのではなく「丁寧」で、1話づつの密度が濃いんだ、ということに気づかされます。

とくに、登場人物の描き方が丁寧で、主要人物ひとりひとりの背景まで描かれているので、敵味方関係なく登場人物に感情移入できて、観ていてこちらもハラハラしたり悲しくなったりします。

普通だったら、話の舞台が、イギリス、イスラエル、フランス、ロシア、インド、チェコなど多方面に飛ぶと、誰が誰で、誰の味方なのか、だんだん分からなくなってくるものなのですが、『マクマフィア』では、そういうことがなかったです。

例えば、インドでのシーンでちょっとだけ出てくる、チョイ役のハッカーの男性でさえ、奥さんと息子さんがいて、息子さんの教育に一生懸命なお父さんなんだという人物設定が、きちんとあります。

なので、「あ~この人、息子さんの養育に一生懸命なお父さんなのに、後々、殺されなければいいな~」とか、見ていてハラハラしたりしました。

なので主要人物の描き方に至っては、それはもう丁寧なので、ホッとするシーンは一緒になってホッとしてしまうし、悲しいシーンは、より悲しく感じてしまうという「巻き込まれ感」がすごかったです。

全体的に全てがサラッとしていてしつこくなく、人が死ぬシーンも、怖いくらいにサラッと過ぎていくのですが、ドラマ全体の密度が濃いゆえに、多くを見せられなくても登場人物と一緒に全てを察してしまい、ドラマの進行と連動して一緒に感情が揺れ動く、そんなドラマでした。

『マクマフィア』のストーリーの見どころ

イタリアン・マフィアや、アメリカのギャングは、よく映画やドラマの題材として取り上げられますが、ロシアや東欧の闇の社会が舞台のドラマは、あまり数がなく、とても新鮮に感じました。

そして、ロシア・マフィアの世界にも、「時代」の流れが押し寄せているのだなぁ~ということを、ドラマの中で一時代を築いた組織・グループの栄枯盛衰から、リアルに感じられたことでしょうか。

俗な言い方をすると、旧来のマフィアの世界はもう古くて、スマートなインテリ・ヤクザが、静かに深く勢力を広げていく、丁度その過渡期の出来事が、このドラマの題材になっているという感じです。

最終的には、ロシアのマフィアのボス・ヴァディムは、時代遅れなマフィアということで淘汰されてしまい、アレックス・グッドマンは勝者として生き残るのですが・・・

裏を返せば、今回の敗者・ヴァディムの最期は、今回の勝者・グッドマンの未来の姿かもしれなくて、一応今はハッピーエンドだけど将来は分からない、という複雑な想いを残す終わり方でした。

主要な登場人物の中に、根っからの救いがたい悪人というのは一人もいなくて、互いに対立する立場であっても、それぞれが事情をかかえて、それぞれの立場で動いていただけなので、どちらが勝っても負けても後味が悪かっただろうなと思います。

あともう一つ、このドラマならではの見どころは、イスラエルの海運王クレイマン(元ロシア人)が、ビジネス拠点を誰よりもたくさん展開することで、ライバルに勝つ戦略をたてていた点です。

ドンパチで争うことなく、部屋に座ってパソコン操作しているだけでも勝てる話を、マクドナルドのフランチャイズ・モデルを例に挙げてアレックスに説明するのですが、これは興味深かったですね。

クレイマンによると、「マクドナルドがバーガーキングに勝てたのは、店の数で勝っているから」で、逆に「マクドナルドがある場所に、バーガーキングを2つ作れば、マクドナルドから客を奪える」と主張します。

なんか、量産アフィリエイターみたいなことを言ってるな~と思ったのですが(笑)、「成功すると既に実証済みの仕組み」を数多く展開することは、よくよく考えてみたら、れっきとしたビジネスの手法なんですよね。

ただし、部屋に座ってパソコン触ってるだけで競争相手に勝つには、最初の根回しとお金がいります。

で、お金を提供するのはお金持ちのクレイマン、お金を動かすのは金融のプロであるグッドマン、実際に手足となって働くのは、能力があると見込んで任せた現地の人、という役割分担で仕事をしようじゃないか、と持ち掛けられるんです。

暴力や恐怖を使って勢力を広げるのはもう古いということで、クレイマンは策略によってライバルに勝つことを提唱しますが、最初、アレックスはいまいちピンと来ていませんし、むしろ胡散臭くさえ思っていました。

なのに、最初はビジネスとして手を貸して、用が済んだらサッと手を引くはずが、どんどん深みにはまっていき、クレイマンを出し抜き、単独でメキシコの麻薬カルテルとも対等に渡り合い、最後にはロシア・マフィアの大物ヴァディムにとって代わるんです。

血がそうさせるのか、環境がそうさせるのか分りませんが、お父さんとは違う人生を生きるんだと強く思っていても、結局お父さんと同じ道に入ってしまうんだ・・・と、なんだか不思議で切ない感じがしました。

はんぱないリアリティ感は、ノンフィクションならでは、かも。

このドラマは、登場人物本人じゃなく、むしろ家族や周りの人に害が及ぶことが多かったので、派手なドンパチはないけれど、心理的にハラハラして恐かったですね~。

確かに、本人達は覚悟の上で争いの中に身を投じているけれど、何も知らない家族に害が及ぶのは辛いので、そこの弱みをあえて狙われるのは、妙にリアリティがありました。

物語が淡々と進むところと、誰かに危機が及んで話がスピーディに進むところのメリハリが効いていて、最終回など特にドキドキ・ハラハラさせられましたね。

あと、人身売買のような話も、物語の一部としてサラッと描かれていて、妙に恐かったです。

つい最近あった、仕事の依頼で海外に訪れたイギリス人モデルが、カバンに詰められて危うく売られそうになったという事件と、シチュエーションが激似でぞっとしました。

ストーリー全体を通して、「こんな話実際にありそうだよな~」という場面が随所にあり、妙にリアリティがあったのですが、このドラマ、実話をベースにした小説が原作なんですね~。

何かをことさら強調するわけでもなく、特別ドラマチックな展開にしたてるわけでもないのに、妙に心にズシッと来るのは、ドラマの制作陣の尽力はもとより、実話をベースにしているからなんだ・・・と、妙に納得した次第です。

ちなみにこのドラマの原作は、ミーシャ・グレニーの同名ベストセラー小説とのことで、探してみたら日本語版がありました。

最初、同名小説ということで『マクマフィア(McMAFIA)』で探していたら見つからなかったのですが、それもそのはず、『世界犯罪機構(W.C.O.) 世界マフィアの「ボス」を訪ねる ─McMAFIA─』という邦題がついた書籍として日本では出版されていました。

小説というより、ドキュメンタリーという感じで、あまり面白そうな感じがしなかったのと、価格が高かったので、私は購入はしませんでしたが、ご興味のある方は、一度アマゾンの詳細ページをご一読ください

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まとめると、今後の展開が楽しみな作品です。

最初はちょこっとだけ、と足を踏み入れた世界に、どっぷりつかってしまう流れは、『ブレイキングバッド』を、お父さんと同じ世界には入らないと思っていたのに、結局同じ道を進んでしまう流れは『ゴッドファーザー』を、それぞれ彷彿とさせられるものがありました。

ラストは、元カノからの電話もとらないし、何かと意味深な終わり方だったので、セカンド・シーズンがあるのではないか、と激しく期待しています。

ヴァディムが死んでしまったので、セカンド・シーズンがあってももう出てこないのがすごく残念ですが、私的にはメキシコのカルテル・アントニオと、今後どうなっていくのかのストーリーがあると嬉しいです。

ヴァディムといえば、ヴァディム役のメラーブ・ニニッゼが主演している『ジュピターズ・ムーン』という映画が、丁度今、劇場公開になっているみたいですね。

予告編見ましたが、ヴァディムが白衣来て出てきた感じで、マフィアから医者に転職しただけの、そのまんまヴァディムで、ちょっと笑えましたw

メラーブ・ニニッゼのプロフィール情報があまりなく、どこの国で活動している俳優さんか分からなかったのですが、生まれは旧ソ連・グルジアなんだそうです。

グルジアという国は、日本では最近『ジョージア』と呼び名が変わりましたね。

大相撲の栃ノ心がこの『ジョージア』出身ということで、一気に知名度が上がりましたが、私も新聞で見るまでは、ジョージアとグルジアが同じ国だとは知りませんでした。

『マクマフィア』ではロシア語と英語を、『ジュピターズ・ムーン』では英語をしゃべっていましたが、おそらくジョージア語が母国語なわけで、海外の俳優さんは色んな言葉を話せる人が多くて凄いですね。

…と、他の作品に話がそれちゃいましたが、以上、『マクマフィア』第一シーズンの視聴レビューでした♪

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『ダウントン・アビー』シーズン1の感想★ブルーレイボックスの発売日は?

昨日に続けて『ダウントン・アビー』シーズン1の話題というか、残り2話を残しての感想をアップしたいと思います。

あと2話でファーストシーズンが終わっちゃうなんて、寂しすぎです…

『ダウントン・アビー』シーズン1の感想

『トンイ』が終わったものの、いつもの習慣で、日曜の夜にNHKにチャンネルを合わせたら、放送が始まったので惰性で見始めたのですが

第一話で、美しきゲイのラブシーン登場!

第二話で、ゲイはゲイでも「芸」人登場。そしてコンビ名は「おちゃめなふたり」!!

第三話は、すわ、美しきゲイのラブシーン再び…!と思いきや、トルコ人の男前はまさかのノンケ!!と安心したのもつかの間、女の部屋で無念の腹上死!!!

みたいな展開が新鮮で(笑)、レトロでお上品な人間ドラマだとタカを括っていた私は、すっかり心をわしづかみにされてしまいました。

そんなドロドロでハードな展開の中で、登場人物の中では、なぜか、マシューの従者・モールズリーさんが大好きです。

マシューに最初邪険にされていて、すごく悲しそうだった顔から一転、ある時から考えを改めたマシューに着替えの手伝いを頼まれたり、カフスを選んで欲しいと頼られた時の、あの嬉しそう&誇らしそうな顔に、ノックアウトされてしまいました(笑)。

先日もバラの前にたたずむ、モールズリーさんに萌えました(爆★)

「うちの父の美しいバラを見てやってくださいな~」と無言で訴える、あの一生懸命な目と言ったら…♪

私は癒し系モールズリーさんを見るのが、毎週日曜夜の楽しみになっています

さてさて、モールズリーさんについて、ついアツく語ってる間に、本題が最後になっちゃいましたが、『ダウントン・アビー ブルーレイBOX』の発売予定日は2014年8月6日だそうです。

<追記>2018年2月9日現在:動画配信サービス・U-NEXTにて、定額料金・見放題で配信されています。⇒ 『ダウントン・アビー』が見放題★詳細はコチラ【U-NEXT】

丁度お盆休みのヒマな時に、見れるではありませんか!!(笑)

(それが販売元の狙いか…www)

リアルタイムで視聴しつつ、一応、毎回録画してるんですが

うちの録画機は古いからか、録画したら2ヶ国語放送にならないんですよ…(録画機っていう言い方が既に死語かも…w)

日本語吹き替えで見ていても、格調高く気品があふれていてステキですが、できればオリジナルの音声で、字幕スーパーで見たいです…

早くブルーレイBOX届かないかなぁ~♪

『ダウントン・アビー』に出てきた「丹毒」「ヘンルーダ・アレルギー」って何だ?

『ダウントン・アビー』シーズン1のブルーレイが、この8月に発売になりますね。

NHKで「トンイ」の後に始まったので、最初は習慣&惰性で見始めたのですが、あまりのおもしろさに、いつのまにか日曜の夜が来るのが楽しみに…

と思ったら、ファーストシーズンは、第7話で最終話ということで、残りあと2話じゃないですか…(泣)

うちはスターチャンネルは加入してないので、この続きは地上波待ちですが、それまでは、ブルーレイをじっくり見て楽しむしかないですね。

丹毒とか、ヘンルーダとか、知らない言葉がてんこ盛り・・・

で、本題なのですが、ちょっと前に『ダウントン・アビー』を見ていて、「丹毒」という病気が出てきました。

結果的には、「丹毒」ではなく、アレルギーだったんですが・・・

いっつもやりこめられている先代伯爵夫人が、「それは、ヘンルーダ・アレルギーよ!」と、ドヤ顔で言うシーンが面白かったですねwww。

で「丹毒」とか「ヘンルーダ・アレルギー」ってなんだ?と思って、気になったので調べてみました。

「丹毒」というのは、菌の感染によって起こる、皮膚の化膿性炎症なんだそうです。

症状がひどいと、熱が出たりもするんだそうですよ。

皮膚の浅いところで起こるのを「丹毒」と呼ぶ一方で、深いところで起こるのを「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と呼ぶんだそうで…

余談ですが、私は昔「蜂窩織炎」で、あわや入院になったことがありまして。

膝の奥深いところがしこりみたいに腫れあがって、熱を持って痛くて歩けなくなってきたぁ~と思ったら、近くのリンパ節が腫れて熱が出て、えらいことに…

皮膚やお肉の下の方で腫れているので、外からは何にも処置ができず、毎日ひたすら抗生剤の点滴で、すごく痛くて辛かった思い出があります。

なので、抗生物質など普及していなかった一昔前の人にとっては、「丹毒」というのはけっこう治りにくくて、手ごわい病気だったかもしれませんね。

一方「ヘンルーダ」というのは、ミカン科の多年草で、昔は薬草として使われていた植物だそうです。

抽出された「オイル」は、香料として害虫の防虫剤や猫の忌避剤に、一方「乾燥物」は、薬草として止血薬、駆虫薬、てんかん薬や通経薬として用いられてきたとか。

ただ、オイルは皮膚刺激性があったり、乾燥物は流産を誘発するような危険な面があり、現在では人体には用いられないようです。(特に妊婦さんには禁忌)

ということで、モールズリーさんは意外に敏感肌だったんだ、ということで…(笑)。

おやかましゅうございました♪

(↑『いっぷく!』のハコちゃんのこのセリフ、一回言ってみたかったんです。今年の流行語大賞取らないかな~(笑))